国民健康保険と海外起業志望者
海外起業志望者が日本の国民健康保険を使うとすると
日本の国民健康保険は、海外の医療機関を利用したときでも、帰国後に申請をすれば、その医療費に適用され、医療費の負担を軽減してくれます。これは、旅行で海外に行くときなど一時的に使用するのには良いと思います。しかし、海外起業志望者のように、実際に海外で長い間生活する者が使うには不便だと思います。以下に、『どうして海外生活者にとって、国民健康保険が使いにくいか』の理由を書いておきます。
国民健康保険は、どうして海外生活者には使いづらいか1
まず、第一に、国民健康保険には『海外で現地の病院に行ったときの言葉のサポートがありません』。自分で病状を現地の言葉で説明できないといけません。病名なら辞書を使ってできるかもしれませんが、微妙な病状の説明には、かなり高度な語学力が必要です。海外でビジネスを始めたとき、海外滞在は長期間に及ぶので、いろいろな病気になる可能性があります。
帰国せずに、海外にいるまま完治させる必要もあります。その場合、医師との意思疎通は、非常に大切になってきますよね。その点において、国民健康保険はサポートはしてくれません。やはり、海外旅行保険を利用して、通訳サービスや、外国人専用窓口がある病院を、気兼ねなく利用できる環境を準備しておいたほうが、無難です。
国民健康保険は、どうして海外生活者には使いづらいか2
第二に、国民健康保険の場合、『お金を先に立て替える必要があります』。海外では医療もビジネス。現金を持っていない人は、病院で診てもらえません。さらには、日本語の通じる日系クリニックは、医療費も高めになります。あとで、国民健康保険から返してもらえるとはいえ、そんな病院で高い費用を立て替えるのは、結構な負担になります。また、その立て替えた費用も、帰国して国民健康保険に申請した後にしか、保険金を受けることができないのも、痛いですね。
国民健康保険は、どうして海外生活者には使いづらいか3
第三に、国民健康保険を利用する場合は、『証明書(診断書)を書いて、日本で提出しなければいけません』。証明書は、現地の病院で書いてもらう必要があり、この『証明書を書いてもらう』ことが、ひと苦労。現地の安い公立病院などでは、混み合っている場合が多く、喜んで書いてくれることは少ないと思います。そして、書いてもらった証明書を、日本での申請時に、日本語に翻訳する必要があるが、苦労二つ目。そして、さらに、すべての医療行為が国民健康保険の対象になるとは限らない、というオマケ付です。これは、日本と外国では、医療保険の範囲が異なる場合があることが原因です。
国民健康保険は、どうして海外生活者には使いづらいか4
第四に、国民健康保険を使う場合の保険料の問題です。当然、国民健康保険を使うときには、保険料を支払う必要があるのですが、この保険料、計算方法がやっかいなのです。というのも、国民健康保険料は、前年の収入に基づいて決定されるのです。ですので、前年の収入が高かった場合は、毎月の保険料が結構な負担になります。現在、海外でビジネスを始めたばかりで、収入が無い、だとか、収入が少ないというのは関係ありません。
ですので、今まで日本でサラリーマンをしている、これから海外でビジネスを始めるぞ、という人は、注意が必要です。私も経験があります。あれは、海外でビジネスを始めて11ヶ月目のことでした。歯医者に行きたくて、一時帰国のときに、1ヶ月だけ国民健康保険に入ったのです。1ヶ月だけの国民健康保険料でしたが、高くて驚いた(泣いた)経験があります。
国民健康保険は、どうして海外生活者には使いづらいか5
国民健康保険を海外生活者が使うことの第五の問題。それは、住民税です。国民健康保険を使う場合は、日本に住民票を残しておくことになります。ですので、住民税がかかるのです。この費用も国民健康保険料にあわせて、費用計算しておく必要があります。ちなみに、住民税は、1月1日に住民票がある場所でかかるので、1月1日になるときだけ、住民票を外しておくことで避けることができます。でも、でも、実際は、そんな面倒なこと、海外で自分でビジネスをやっていたら、やってられませんよね。以上の問題を考えると、やはり、国民健康保険ではなく、日本の海外旅行保険に加入するのが無難かな、という結論です。ですので、やっぱり私も、4年目でも海外旅行保険を使っているのです。